離乳食の進め方、支援ガイド2019のポイント
離乳食の進め方、支援ガイド2019のポイント
離乳食の進め方で迷ったとき、国試の勉強をしているとき、「この月齢では何をどのくらい与えればいいのか」「2019年の改定でどこが変わったのか」と疑問に思うことはありませんか。授乳・離乳の支援ガイド2019は、国が示す離乳食の標準的な進め方をまとめた資料で、管理栄養士国家試験でも頻出です。この記事では、月齢ごとの離乳食の進め方と、2019年改定で押さえておくべきポイントを解説します。
離乳食とは何か
離乳食は、母乳や育児用ミルクだけでは不足する栄養素を補い、乳汁栄養から固形食へ移行するための食事です。WHOでは「補完食」という言葉が使われ、生後6か月頃からの開始が推奨されています。日本では生後5〜6か月頃が開始の目安とされ、子どもの発達に応じて段階的に進めます。
離乳食の目的は栄養補給だけではありません。舌や顎を動かして食べ物を飲み込む練習、食べ物の味や食感を学ぶ経験、家族と一緒に食事を楽しむ習慣づくりも含まれます。授乳・離乳の支援ガイド2019では、子どもの発達や食欲に合わせた無理のない進め方が基本とされています。
生後5〜6か月:離乳食のスタート
離乳食を始める目安は、首がしっかりすわり、支えてあげると座れる、食べ物に興味を示すといったサインです。この時期は「離乳初期」と呼ばれ、1日1回、なめらかにすりつぶした状態の食べ物を与えます。
最初の1か月は、つぶしがゆから始めて、慣れてきたら野菜や果物をペースト状にしたものを試します。豆腐や白身魚、固ゆでした卵黄など、たんぱく質源も少しずつ取り入れます。ここで注意したいのが、2019年改定で卵黄の開始時期が変更された点です。従来は「離乳中期(7〜8か月)から」とされていましたが、改定後は「離乳初期(5〜6か月)の後半から」固ゆで卵黄を少量ずつ試すことが推奨されています。これは、食物アレルギー予防の観点から、早期に多様な食品を導入することが有益とする研究結果に基づいています。
母乳や育児用ミルクは、この時期も栄養の中心です。離乳食はあくまで「食べる練習」の意味合いが強く、無理に食べさせる必要はありません。子どもが口を開けて食べ物を受け入れるかどうかを見ながら、ゆっくり進めます。
生後7〜8か月:舌でつぶせる固さへ
離乳中期に入ると、1日2回食に進みます。食べ物の固さは舌でつぶせる程度、目安としては豆腐くらいの柔らかさです。つぶしがゆから全がゆへ、野菜は粗くつぶした状態に移行します。
たんぱく質源も種類が増えます。全卵(卵白も含む)、鶏ささみ、納豆、ヨーグルトなどを試していきます。鶏卵は三大アレルゲンの一つですが、2019年改定では「離乳初期の後半から固ゆで卵黄を開始し、慣れたら全卵へ進む」という流れが明確に示されました。以前は卵白の導入を慎重に遅らせる傾向がありましたが、現在は適切な加熱調理をした上で、少量ずつ試すことが推奨されています。
この時期、鉄不足に注意が必要です。母乳中の鉄含有量は少なく、生後6か月以降は体内の貯蔵鉄が減少します。赤身の魚、レバー(少量)、鉄強化された育児用食品などを取り入れ、ビタミンCを含む野菜や果物と一緒に摂ることで非ヘム鉄の吸収を高めます。
生後9〜11か月:歯ぐきでつぶせる固さへ
離乳後期になると、1日3回食のリズムが整います。食べ物の固さは歯ぐきでつぶせる程度、バナナくらいの柔らかさが目安です。手づかみ食べが始まる時期でもあり、自分で食べる意欲を育てることが大切です。
軟飯や5倍がゆに移行し、野菜はやや大きめに切って歯ごたえを残します。肉類は鶏ひき肉、豚ひき肉、牛ひき肉へと広げ、青魚(さば、さんまなど)も試します。ただし、脂の多い魚や肉は消化に負担がかかるため、量は少なめに調整します。
この時期の鉄補給も引き続き重要です。離乳食から摂取する鉄の量が増える一方、母乳やミルクの量は減っていきます。赤身肉、レバー、魚、大豆製品などをバランスよく取り入れ、鉄欠乏性貧血を予防します。鉄欠乏は乳児期の発達に影響を及ぼす可能性があるため、厚生労働省の食事摂取基準でも乳児の鉄推奨量が示されています。
食物アレルギーが疑われる場合は、自己判断で食品を除去せず、医師の診断を受けることが重要です。必要最小限の除去にとどめ、代替食品で栄養素を確保します。
生後12〜18か月:離乳の完了へ
離乳完了期は、1日3回の食事リズムが定着し、1〜2回の補食(おやつ)を加える時期です。食べ物の固さは歯ぐきで噛める程度、肉団子くらいの固さが目安です。軟飯から普通のご飯へ、大人の食事を薄味にしたものを取り分けて与えることもできます。
この時期、「離乳の完了」とは母乳や育児用ミルクを飲まなくなることではありません。形のある食べ物を噛んで飲み込むことができ、エネルギーや栄養素の大部分を食事から摂取できるようになった状態を指します。母乳や育児用ミルクは、子どもが欲しがる限り与えて構いません。
食べさせてはいけないものもあります。1歳未満の乳児に蜂蜜を与えると、乳児ボツリヌス症を引き起こす危険があります。ボツリヌス菌の芽胞は加熱しても死滅しないため、蜂蜜入りの食品やシロップも避けます。また、ナッツ類や生の魚介類、アルコールを含む食品も不適切です。
牛乳は、飲用として与えるのは1歳を過ぎてからが望ましいとされています。調理に使う程度であれば離乳中期以降から可能ですが、カルシウム補給としては育児用ミルクやヨーグルト、チーズなどを活用します。
2019年改定のポイント
授乳・離乳の支援ガイド2019では、いくつかの重要な変更がありました。
まず、卵黄の開始時期が前倒しされたことです。従来は離乳中期からとされていましたが、離乳初期の後半(生後6か月頃)から固ゆで卵黄を少量ずつ試すことが推奨されるようになりました。これは、食物アレルギー予防の観点から、早期に多様な食品を導入することが有益とする国内外の研究結果を反映したものです。
次に、授乳・離乳の支援における「授乳の支援」の記載が充実しました。母乳育児の推進だけでなく、育児用ミルクを使う場合の支援、混合栄養の場合の配慮など、多様な授乳方法に対応した内容になっています。母乳だけで育てることが難しい場合でも、保護者が不安や罪悪感を持たないよう、支援者の言葉がけに配慮することが強調されています。
また、食物アレルギー予防に関する記載が更新されました。特定の食品の摂取開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はないことが明記されています。離乳食の開始を遅らせる必要はなく、生後5〜6か月頃から始めて、多様な食品を段階的に導入することが推奨されています。
鉄不足への注意喚起も強化されました。特に完全母乳栄養の場合、生後6か月以降は鉄が不足しやすいため、離乳食から鉄を十分に摂取することが重要です。赤身の肉や魚、鉄強化食品の活用が推奨されています。
aiyolabで聞いてみた
離乳食の進め方や食物アレルギーの対応について、もっと詳しく知りたいときはaiyolabのAIチャットが役立ちます。「離乳食で鉄不足を防ぐにはどうすればいいか」「卵の進め方を具体的に教えて」といった質問をすると、授乳・離乳の支援ガイド2019や食事摂取基準2025を根拠に回答が返ってきます。出典がついているので、国試対策のレポート作成や栄養指導の下調べに使えます。
まとめ
離乳食は、生後5〜6か月頃から始め、子どもの発達に合わせて段階的に進めます。2019年改定では、卵黄の開始時期が前倒しされ、食物アレルギー予防のために多様な食品を早期に導入することが推奨されました。鉄不足への注意、授乳支援の充実も改定のポイントです。国試では月齢ごとの食形態や回数、アレルギー対応の考え方が問われるため、ガイドの内容を正確に理解しておくことが大切です。