健康日本21(第三次)の数値目標、覚え方と整理のポイント

健康日本21第三次数値目標公衆栄養学国家試験

国試対策で健康日本21(第三次)の数値目標を覚えようとすると、「野菜摂取量は350g」「食塩は7g」といった数字が並んで混乱しがちです。第二次から第三次への変更点を押さえておけば、出題パターンが見えてきます。

第二次から第三次への主な変更点

健康日本21(第三次)は2024年度から2035年度までの計画で、第二次(2013-2023年度)の評価を踏まえて改定されました。最大の変更は、目標項目の整理と重点化です。第二次では53項目あった目標が、第三次では約50項目に再編されています。

具体的には、「健康寿命の延伸」と「健康格差の縮小」が引き続き最上位目標として掲げられています。健康寿命は第二次で男女とも延伸しましたが、平均寿命との差は依然として存在するため、この差を縮めることが重視されています。

生活習慣病の発症予防・重症化予防では、がん・循環器病・糖尿病が引き続き重点疾患です。第三次では特に、循環器病対策基本法(2019年施行)との連携が明確化されました。

覚えておくべき主要数値目標

押さえておきたい数値目標を分野別に整理します。

栄養・食生活分野では、野菜摂取量は平均値350g(令和14年度)、果物摂取量は平均値200g(令和14年度)が目標です。果物は第二次の「100g未満の者の割合の減少」から、平均値の目標に変わりました(現状値は99g)。食塩摂取量の目標は、20歳以上の平均値で1日7g(令和14年度)です。第二次の8gから1g引き下げられました(現状値は10.1g)。

ここで注意したいのは、「男性7.5g未満、女性6.5g未満」という数字は健康日本21の目標ではなく、日本人の食事摂取基準(2020年版・2025年版)の目標量だという点です。健康日本21は男女を分けず、20歳以上の平均値1本で示されています。国試では両者の取り違えを突く選択肢に注意してください。

適正体重を維持している者の増加も目標です。20-60歳代男性の肥満者(BMI≧25)の割合を減少させること、40-60歳代女性の肥満者の割合を減少させることが掲げられています。一方で、若年女性のやせ(BMI<18.5)の減少も重要課題です。第三次では20〜30歳代女性のやせの割合を15%未満にすることが掲げられています。第二次の最終評価時点(令和元年)では20歳代女性の20.7%で、評価は「変わらない」でした。やせは将来の骨量減少や低出生体重児出産のリスクと関連します。

身体活動・運動分野では、日常生活における歩数の増加が目標です。20-64歳は男女とも8,000歩、65歳以上は男女とも6,000歩です(第二次は20-64歳が男性9,000歩・女性8,500歩、65歳以上が男性7,000歩・女性6,000歩)。現状値の1.1倍を基準に、覚えやすい値に揃えたものです(これは2023年の厚生労働省の説明資料にある年齢別の目安です。告示の指標は「1日の歩数の平均値(年齢調整値)」で、2026年9月の改正で8,000歩になりました)。運動習慣者(週2回以上、1回30分以上、1年以上継続)の割合増加も継続目標です。

飲酒分野では、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の減少が目標です。1日当たりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上の者を減らすことが掲げられています。

喫煙分野は、成人の喫煙率減少(12%を目指す)、妊娠中の喫煙をなくす、20歳未満の喫煙をなくすが主要目標です。受動喫煙の機会を有する者の減少も含まれます。

2026年9月15日の告示改正で変わった目標値

2026年9月15日の厚生労働省告示(第346号)で、第三次の目標値の一部が改正されました。2023年の告示や、それを前提にした古い教材の数字とずれるので、国試対策では改正後の値を確認してください。栄養・生活習慣に関わる主なものは次のとおりです。

目標 改正前 改正後
バランスの良い食事を摂っている者の増加(主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日がほぼ毎日の者の割合) 50%(令和14年度) 70%(令和14年度)
日常生活における歩数の増加(1日の歩数の平均値・年齢調整値) 7,100歩(令和14年度) 8,000歩(令和14年度)
高血圧の改善(収縮期血圧の平均値) ベースライン値から5mmHgの低下 122mmHg(令和14年度)
脂質(LDLコレステロール)高値の者の減少 ベースライン値から25%の減少 6.5%(令和14年度)
メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少 第4期医療費適正化計画に合わせて設定 1,100万人(令和11年度)
特定健康診査の実施率の向上 第4期医療費適正化計画に合わせて設定 70%(令和11年度)
特定保健指導の実施率の向上 第4期医療費適正化計画に合わせて設定 45%(令和11年度)
よく噛んで食べることができる者の増加 80%(令和14年度) 90%(令和14年度)

この表は、告示の新旧対照表に載っている改正部分から、栄養・食生活に関わる項目を抜き出したものです。ほかにも、社会活動を行っている者の増加(ベースライン値から5%の増加→90%)など、社会環境に関する目標値が数値に置き換わっています。

第二次での達成状況と第三次での見直し

第二次の最終評価(2022年)では、53項目のうち、目標値に達したのが8項目(15.1%)、改善傾向が20項目(37.7%)で、合わせて約5割でした。悪化は4項目(7.5%)でした。

悪化した項目の代表例が、20〜60歳代男性の肥満者割合です。目標は28%だったのに対し、令和元年は35.1%と増加しました。20歳代女性のやせは20.7%で、評価は「変わらない」でした。これらを受けて、第三次では肥満とやせの両方に対する取り組み強化が明記されています。

改善傾向が見られたのは、特定健康診査の実施率、がん検診受診率などです。特定健診の実施率は41.3%(平成21年度)から55.6%(令和元年度)まで上昇しました(目標70%には未達)。一方、メタボリックシンドロームの該当者・予備群の減少は、目標に反して「悪化」と評価されています。

食塩摂取量は、第二次開始時(平成22年)の10.6gから令和元年には10.1gまで減少しましたが、目標の8gには届きませんでした。野菜摂取量も平均280g程度で横ばいでした。このため、第三次では企業や地方自治体との連携による環境整備(減塩商品の普及、社員食堂での野菜提供増など)が強調されています。

国試での出題パターン

健康日本21は、社会・環境と健康や公衆栄養学で出題されます(第40回では給食経営管理論でも出題されました)。典型的な出題パターンは以下の通りです。

数値の正誤問題が最も多く、「野菜摂取量の目標値は300g以上である」「食塩摂取量の目標は男性7.5g未満、女性6.5g未満である」といった選択肢で正誤を問われます。特に、第二次から第三次で変更された数値(食塩摂取量、歩数など)は狙われやすいポイントです。

目標項目の分類にも注意が必要です。「次のうち、健康日本21(第三次)の目標に含まれないものはどれか」という形式で、実際には目標に含まれていない項目(例:特定の栄養素の摂取量増加など)を選ばせる問題です。

達成状況の評価に関する問題では、「第二次で悪化した項目はどれか」「改善傾向にある項目はどれか」が問われます。悪化(D)と評価されたのは、20〜60歳代男性の肥満、メタボリックシンドロームの該当者・予備群、睡眠による休養、リスクを高める量の飲酒などです。20歳代女性のやせは「変わらない」(C)でした。

他制度との関連も出題されます。健康日本21は健康増進法第7条に基づく「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」として位置づけられています。特定健診・特定保健指導(高齢者医療確保法)、がん対策推進基本計画(がん対策基本法)、循環器病対策推進基本計画(循環器病対策基本法)との連携が問われることがあります。

効率的な覚え方

数値目標を丸暗記するのではなく、根拠と関連づけると記憶に残りやすくなります。

食塩7gは、「日本人の平均10.1gから約3g減らす現実的な目標」と理解します。厚生労働省の説明資料には、高血圧の予防には1日6g未満が望ましいとも書かれています。食塩1g≒ナトリウム約400mg(食塩相当量=ナトリウム×2.54)も合わせて覚えておくと、栄養計算問題にも対応できます。

野菜350gは、「1日5皿(SV: サービング)」と言い換えられます。1皿70gで5皿=350gです。果物は平均値200gで、現状値99gのおよそ2倍が目標です。

**歩数目標(20-64歳8,000歩、65歳以上6,000歩)**は、男女とも同じ値に揃えられたと覚えます。現状値の1.1倍を基準に、分かりやすく覚えやすい値にしたものです。第二次から一律に1,000歩減ったわけではありません(20-64歳女性は500歩減、65歳以上女性は据え置き)。

BMI基準は、日本肥満学会の基準(18.5未満:やせ、18.5-24.9:普通、25以上:肥満)と一致しています。健康日本21では、20〜30歳代女性のやせ(目標15%未満)と、20〜60歳代男性の肥満(令和元年35.1%、目標28%)が問題視されている点を押さえておきましょう。

メタボリックシンドロームの診断基準(腹囲:男性85cm以上、女性90cm以上+脂質・血圧・血糖のうち2項目以上)も、健康日本21の重症化予防目標と関連します。特定健診は40-74歳が対象で、メタボ該当者・予備群の減少を目指しています。

aiyolabで聞いてみた

健康日本21の数値目標や達成状況をaiyolabのAIチャットで質問すると、厚生労働省の最終評価報告書や食事摂取基準2025を根拠に、出典つきで回答が返ってきます。「第二次で悪化した項目は?」「食塩摂取量の目標値の根拠は?」といったポイントを確認できるので、レポート作成や試験直前の知識整理に活用できます。

まとめ

健康日本21(第三次)の数値目標は、第二次の達成状況を踏まえて現実的に見直されています。食塩摂取量の目標を8gから7gへ、果物を平均値200gへ、歩数目標を男女同値に揃えたこと、肥満とやせの両面への対応強化が主な変更点です。2026年9月の告示改正で数値が置き換わった目標もあるため、最新の値で確認しておきましょう。数値の正誤、達成状況の評価、他制度との関連が問われることがあるため、根拠と合わせて理解しておくと得点につながります。

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