感度・特異度・陽性的中率、計算問題の解き方
検査で「陽性」と出たとき、本当に病気である確率はどれくらいでしょうか。管理栄養士国家試験では、感度・特異度・陽性的中率の計算問題が毎年のように出題されます。2×2表を使えば、混乱しがちな数字の関係が一目で整理できます。
2×2表の書き方
スクリーニング検査の精度を評価するには、まず2×2表を作ります。縦軸に「検査結果」、横軸に「真の疾病の有無」を配置するのが基本です。
- 縦軸:検査陽性/検査陰性
- 横軸:疾病あり/疾病なし
この表に、真陽性(a)、偽陽性(b)、偽陰性(c)、真陰性(d)の4つの人数を書き込みます。真陽性は「病気があって検査も陽性」、偽陽性は「病気がないのに検査が陽性」という意味です。表を埋めるときは、問題文に書かれた人数を丁寧に拾っていくことが大切です。
計算ミスを防ぐコツは、各セルの合計を確認することです。横方向の合計が「疾病あり群の総数」と「疾病なし群の総数」、縦方向の合計が「検査陽性者の総数」と「検査陰性者の総数」になっているかチェックします。
感度の計算
感度は、病気を持っている人のうち、検査で陽性と判定される割合です。計算式は次のとおりです。
感度 = 真陽性 / (真陽性 + 偽陰性) = a / (a + c)
分母は「疾病あり群の総数」、分子は「そのうち検査陽性だった人数」です。感度が高い検査は、病気を見逃しにくいという特徴があります。新生児マススクリーニングのような、見逃しが重大な結果を招く検査では、感度の高さが重視されます。
感度80%なら、病気のある人100人のうち80人が陽性と判定され、20人が偽陰性(見逃し)になる計算です。
特異度の計算
特異度は、病気を持っていない人のうち、検査で陰性と判定される割合です。
特異度 = 真陰性 / (偽陽性 + 真陰性) = d / (b + d)
分母は「疾病なし群の総数」、分子は「そのうち検査陰性だった人数」です。特異度が高い検査は、健康な人を誤って陽性と判定する確率が低くなります。
特異度90%なら、健康な人100人のうち90人が陰性と判定され、10人が偽陽性(誤判定)になります。感度と特異度はトレードオフの関係にあり、一方を上げると他方が下がる傾向があります。
陽性的中率の計算
陽性的中率は、検査で陽性と判定された人のうち、実際に病気である割合です。
陽性的中率 = 真陽性 / (真陽性 + 偽陽性) = a / (a + b)
分母は「検査陽性者の総数」、分子は「そのうち本当に病気だった人数」です。この指標は、検査を受ける側にとって最も気になる数字といえます。「陽性と言われたけれど、本当に病気なのか」という問いに答えるのが陽性的中率です。
陽性的中率60%なら、陽性判定を受けた人10人のうち6人が実際に病気で、4人は偽陽性ということになります。
有病率と陽性的中率の関係
陽性的中率は、対象集団の有病率によって大きく変わります。有病率とは、特定の時点で疾病を有する者の割合のことです。
同じ検査(感度・特異度が同じ)でも、有病率が高い集団で使うと陽性的中率が上がり、有病率が低い集団で使うと陽性的中率が下がります。これは、有病率が低い集団では偽陽性の数が相対的に増えるためです。
例えば、感度90%・特異度90%の検査を考えます。有病率10%の集団では陽性的中率が約50%ですが、有病率1%の集団では陽性的中率が約8%まで下がります。健康診断のように有病率の低い場面では、陽性判定の大半が偽陽性になる可能性があるわけです。
このため、スクリーニング検査で陽性が出た場合、より精度の高い確定診断を行うのが一般的な流れです。
計算問題の攻略法
国家試験の計算問題では、次の手順で解くとミスが減ります。
- 問題文を読みながら2×2表を描く
- 与えられた人数を表に書き込む(合計も必ず記入)
- 求められている指標の式を確認する
- 分子・分母を表から拾って計算する
問題文に「有病率」「感度」などが先に与えられている場合は、逆算して人数を埋めていきます。たとえば「有病率5%、対象1000人」なら、疾病あり群は50人、疾病なし群は950人です。
計算途中で小数が出てきたら、約分せずにそのまま進めた方が正確です。最後に選択肢と照らし合わせるときに、パーセント表示や小数第何位までかを確認します。
時間配分も重要です。2×2表を丁寧に書く時間を惜しまないことで、後の計算が楽になります。焦って暗算しようとすると、分子と分母を取り違えるミスが起きやすくなります。
aiyolabで聞いてみた
「感度と陽性的中率の違いがわからない」「有病率が変わると何が変わるのか」といった疑問は、aiyolabのAIチャットに質問すると、疫学の基本概念や計算式の根拠を整理して答えてくれます。国家試験の過去問を解いていて手が止まったときに、出典つきで確認できるので便利です。
まとめ
感度・特異度・陽性的中率は、2×2表を使えば迷わず計算できます。感度は「病気のある人のうち陽性になる割合」、特異度は「病気のない人のうち陰性になる割合」、陽性的中率は「陽性判定のうち本当に病気の割合」です。陽性的中率は有病率に左右されるため、同じ検査でも使う場面によって解釈が変わります。計算問題では、表を丁寧に書いて合計を確認する習慣をつけると、ミスを減らせます。